今回は神戸の街を歩いてみようと考えた。神戸・・・というと関西では大阪に次ぐ大都市、というイメージだが戦国時代や平安時代に遡るわかりやすい古刹・歴史的観光名所がこれといって思い当たらない。関西に来て2年近いが神戸を目的地としての観光は結果的にこれまで後回しにしてきた。だが、神戸は「阪神」という言葉の「阪」の相方という扱いになっているということもあり無視するわけにもいかない。このままでは神戸を見ないでそのままやり過ごしてしまいそうなので職場のかたに神戸のみどころをレクチャーいただいて見どころの目星をつけて神戸を散策することにした。梅田から阪神電車に乗り三ノ宮駅で神戸市営地下鉄に乗り換え、新神戸駅に降り立つ。
まずは北野異人館街に向かいますよ。こっちでいいんだな。
駅を出るなり結構な勾配の坂道を上る。こじゃれた路線バスだな。
エッチラと坂道を登っていくと・・・んん?
なんだこりは
へぇ!100年以上前に埋設された水道管でつい最近まで現役で使ってた水道管だったんだ。「1898」ってのは1898年にイギリスで製造された水道管ってことなのかな。外交官の居住する地域を優先的に水道整備したのかな。
進んでいくと、おおっ 割引券があるのか。1軒につき¥500~¥1000くらいするからここで割引券を買っておこうかなー・・・と思い・・・
この割引券売所でオランダ館とデンマーク館とオーストリア館合計で¥1700するところこの黄色い3館の共通券を¥1300で購入した。「いぇい、これでお得に見学できるゼ」と思ったがこれは「失敗だった」と後で知ることになる。
けっこうな上り坂を進む。なんだろな。こういう山の際に意図的に外国人を囲おうとしたのかね?
と、上りきったところで「坂の上の異人館」があった。ここも見てみたいと思ってたがここでハっと気づいた。さっき買った黄色い共通券(テーマ館共通券)では「坂の上の異人館」内に入ることはもちろん、奥にある「山手八番館」「うろこの家」へと続く通路に入ることすらできない=うろこの家周辺の建物の外観さえ見れない・撮れないということに気づいた。
「坂の上の異人館」以外で中に入りたい優先順位の高いところはあるし・・・さっき買った黄色い共通券とは別になっている「うろこの家共通券」を買うとこの後に控えている「風見鶏の家」等も含め合計して¥4000近く行って予算オーバーしちゃうし・・・
で、決断したのが職場でおすすめされた「山手八番館」のみの券を買って・・・¥550也。
これでやっとチケット購入者しか入ることができない通路に足を踏み入れることができた。「うろこの家」は¥1050するし、今回は外観でも撮れればいいや・・・と思った(←この考えも甘かったということに後で気づく)。
「坂の上の異人館」から入って奥に進むとさいしょに「北野外国人倶楽部」にさしかかった。
ここの中は見れないので玄関越しにカメラを向けてみた。重厚なたたずまいな感じ。中に入って見てみたいなぁ。まぁしょうがない。HPには「北野外国人倶楽部(旧フリューガ邸)は、明治後期建築の木造2階建て、切妻屋根、外壁は2階部分に木の柱を外部にあらわしたハーフティンバー風の外観です。最後の住人は貿易商ハンセンです。」とある。
通路を進むと・・・・むむっ
お~すげぇなぁ。歴史ありそうな馬車だな。
130年近く前にフランスで製造されてフランスで使われてた・・・んん?ってことは神戸の北野異人館街界隈では使ってなかったってこと?・・・考えてみりゃこんな坂道の多いところで馬車なんて危なくて使えないか。異国情緒の演出のためわざわざ取り寄せたのか?
中庭?には・・・ううむ。
うろこの家、山手八番館はこっちか。
山手八番館・・・ここのチケットはさっき買ったゼ。
ここでも入館券購入できるんだね。
ではでは山手八番館、見学しましょうか。HPには「山手八番館(旧サンセン邸・明治後期築)は、サンセン氏の自宅として建設された洋館です。海に向かって台形の張り出し窓が連なる個性的な外観で、柱や梁、筋交いなどの骨組みが外部に現されたハーフティンバーと呼ばれる様式や、曲線を描くように石を積み重ねたアーチ状の梁のある開口部などが特徴的なチューダー風の館です。」とある。
重厚なたたずまいだな。
はいってみると・・・椅子が二つ・・・学芸員?
と、椅子に座ってたオジサンがそそくさと席を立った。どれどれ・・・おおっ これが「サターンの椅子」かぁ。
職場のかたから「これに座ると望みが叶う」レクチャーしてもらったものだ。男は左、右は女性が座るのか。・・・ってことはさっき座ってたオジサンは学芸員・・・じゃないってことか。
じゃあ座ってみましょー!どんな願いを念じようかな。
いったん席を外すと、すかさずさっきのオジサンにサターンの椅子に着座された。しょうがない、別の部屋を見てみるか。色々置物を置いてるな。
2Fを見学してみましょうか。
暗い色調の腰壁が格調高い雰囲気を出している。
なんでガンダーラ仏?
そうか、家具がなくて殺風景になるからこういう置物を後から設置したのか。カネかかってるんだろうな。その当時の家具をそのまま残しておいてくれてたらもっと資料的価値化アップするんだろうな。
ここはリビングかな。この家具は後から設置した?ツタンカーメンの照明??オリジナル?
2Fのテラスだ。明るいな。
窓からの風景。海が見えるんだね。
2Fを見終えて1Fに降りてまたあの椅子に座って改めて願いを念じようと思ったが・・・あちゃー、まだあのオジサン、座ってるよぉ・・・。何か切実な願いでもあるのかな。
こうして山手八番館の見学を終えた。滞在時間は10分ほどだった。
では次に進みますか。狭い通路を進むと
おおっ うろこの家だ。
・・・とせめて外観だけでも・・・と思ったが、高い生け垣を設置してその外観すらもブロックされてしまった。徹底してるなー!
しょうがない。うろこの家はまたの機会だな。ではではさきほど共通券を購入したオーストリア・デンマーク・オランダ館へ入りましょうか。
ここを入るのか。現代のRC造の建物だな。
オーストリア館・・・ええっ ここなの?ここを入るの?古い洋館じゃないじゃーん!
館内はオーストリアのお国紹介の展示だった。これはこれで面白いが、ここ北野異人館街に来た観光客が求めてるものとは方向性が違っていると思う。
さっきの山手八番館の家具が無い状態の真逆で建物(ハコ)は現代の無機質なRC造だが家具とか小物とか資料とか中のものをそろえた感じ。
別館の階段を上ると
ここの目玉?という黒鍵の鍵盤楽器があった。まぁ楽器なら浜松の楽器博物館のほうが見ごたえがあるけどね。オーストリア館は滞在時間6分だった。
こっちはデンマーク館。
バイキング船のミニチュア展示。手は込んでるけどなんか子供だまし的な展示だなぁ・・・と思ってしまった。ああっ 批判はいけないですよねーっ。
デンマーク館の滞在時間は4分だった。はは・・・。
と、こんどは・・・
オランダ館か。ここはさっきまでのところとは雰囲気が違うな。
オランダ名物の木靴だ。フランダースの犬でネロとかアロアとかが履いてたな。こうしてみると履き心地悪そうだな。
では館内を見学してみましょー。
入るなり、香水のニオイが鼻を突いてきた。隣の部屋からおねえさんがやってきて「こちらの部屋でお客様に合わせた香水の調合をやってます。やりますか?香水の調合部屋は撮影禁止です」と言われた。香水・・・何でここで香水?としか思えなかったので断った。香水の調合室以外は撮影自由と確認して中に入った。
おぉ~いいねぇ!HPより「ノスタルジックな雰囲気が魅力の元オランダ総領事邸。当館は大正中期に建てられた2階建ての木造の寄棟造りです。 長い期間、オランダ総領事邸として使用されており、その後 I.Sヴォルヒン氏の邸宅となっていました」
家具も最後の住人I.Sヴォルヒン氏のものなのかな。
奥に進むと・・・おおぅ、水回りか。
ここで調理してたんだ。
こうしてみると生活感を感じるな。
まさしく「古い洋館」って感じだ。香水の調合は別として北野異人館街を訪れる観光客の需要にまさしくバッチシ合致する内容だ。
2Fに上がってみましょう。
おおっ 浴室かぁ。2Fにわざわざ設置してるんだね。
ロイヤルドルトン・・・高価・・・
ルパンⅢ世だったらこの洗面台を盗・・・まないか。この洗面台、一体成型の陶器なんだろうな。19世紀のものなのかな。カランも古そうだな。
この部屋は・・・
メイドさんの部屋だったんだ。メイドさん、住み込みだったのか。この部屋でメイドさんとご主人様との秘密の情事が繰り広げられた・・・ってそんなゲスいこと想像してしないですよ。
ここは寝室なのか。ここでひとりで一泊・・・って言われたらちょい怖いな。
この部屋は応接間かな。
サロン・・・セレブだねー。各界の著名人が集まったんだろうなぁ。
こっちは執務室なのか。
オランダ館、なかなか見ごたえがあった。オーストリア館もデンマーク館もこういう展示だったらなぁ・・・ってしつこい?
こうして館内の見学を終えた。
滞在時間は10分だった。この記念撮影用の木靴は木でできてなかった。あたりまえか。
次はどこに行こうかな。
右に進んで風見鶏の館と萌黄の館に行きましょうか。
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